つながりの不思議

バリでいわゆる不思議のきのこを食べた。
認識の枠組みが外れかけた奇妙な意識の中、
安宿のベッドに寝転がり左手をウーンというふうに
のばした指先が壁にふれたとき、
「あ、この先で古くからの友人エムやエスとつながってるなあ」
と感覚した。


大学で数学をやっているエムとも作家志望のエスとも
それほど連絡をとることはないのだが、
それぞれの場で、周りの世界に対して感じる違和の
気持ちに蓋をせず、外側のものに縛られることを
嫌ってなんだかジタバタやっている、いや、ジタバタ
やってるのは俺の場合で、他の二人のことは知らないが、
何かそういうところでの距離の近さを二人には感じて
いる。
これは千葉県市川の安アパートで振り返ってみての
感想である。


さて、旅先でそんな経験をして、日本に帰ってメイルを
チェックしてみると、エムからコンピュータ関係の
仕事があるからエスと協力してやらないかという誘いが
入っていた。
二つ返事で承諾した。


人と人との関係は不思議な形で繋がりあっているものだ。


[参照]